What kind of wood is this?
Q : この木はなんの木でしょう?
A:樹種「チェリー」。
正式名称「アメリカンブラックチェリー」
落葉広葉樹バラ科サクラ属。アメリカ産。
華やかさと、奥深さがあり、
艶がでて経年変化を楽しめる材。
この焼き印は「京都炭山朝倉木工」の印。
朝という字の右側の月の部分は、
水面に映った月の象形文字。
少しこの木を観察してみましょう。
木からどのような印象を受けますか?
綺麗。渋い。安心する。
ほっとする、和む。etc.
木を手のひらにのせてみてください。人の肌と光の反射率が近いのだそう。
木や、土壁、自然素材の近くに居ると人間がほっとするのは、保護色効果、溶け込み、敵から身を守ることができると感じて本能的に安心するという一説。
表面のRのギザギザは?
「軸傾斜」「昇降盤」などの丸い30センチφほどの回転刃で切った跡のことを「ノコ目」といいます。この機械のノコ目は手がんなをかけるので家具の完成時には見えなくなります。
昔、貴重な材は大きなノコで手で挽いて板にしていた時代が有りました。(機械で切るより無駄になる部分が少ないため。)
材木さんで50年100年出番を待っている木材には、木挽き職人さんの手ノコ刃のあとが今も残っているものもあります。それを景色として活かして使うこともあります。
表面の横シマは?
木の表面の質感を、
光にかざして観察してください。
1ミリ幅ぐらいのシマシマが
見えますか?
これを「ナイフマーク」と呼びます。
写真例は右半分がナイフマーク。
左半分は手カンナをかけた部分。
(お手元のwood cardによっては、表面すべてに手カンナをかけてあり、ナイフマークは残っていない場合も。)
ナイフマークは、木を「手押しかんな盤」で平らに製材し、「自動一面鉋盤」で厚みを均質にしたときの、機械の刃物が高速回転で木の表面を削った跡。ラップの芯ぐらいの筒に刃物が2枚~4枚ついていて高速回転し切削します。
表面のすべすべ部分は?
手鉋をかけた木の摩擦係数は、人肌の摩擦係数と似ているとも言われ、すべすべ、さらさら気持ちがいい。
指で木に水滴を落とし、
塗り広げてみてください。
ノコ目の面とナイフマークの面は、
刃物で押さえ付けて切り取った連続面のため、水を含むと表面積が広がり膨らんで乾くとざらざらした手触りに変わります。
手鉋をかけた面は濡らしてもあまりかわりません。
京都炭山朝倉木工では、すべての家具の表面に手鉋をかけています。そうすることで、水にぬれたり、ずっと長く使っていても、滑らかで美しい木の表面を保ちます。
木取り方向「柾目(まさめ)」
年輪の模様が縦じまに見える向きに木を切った時の見え方をこう呼びます。上品、狂いが出にくい。
木取り方向「板目(いため)」
年輪がタケノコ模様のように見える向きに木材を切った時の見え方を板目と呼びます。(写真は、表面に斜めけずりを施した仕上げ。)
木目の個体差 「杢(もく)」
めずらしい木目、模様のことを「杢(もく)」と呼びます。
チェリーには、キラキラっと見える揺らぎのある表情が部分的に現れることがあります。暮らしの中で、家具を見る向きによって変わる表情を楽しみます。
木目の年輪から観察
写真はシオジという木の断面。
約250本の年輪の数でした。
お手元のwood cardの断面をよく見ると、
穴が見えます。大地から水分を吸い上げていた部分、「導管」は春に出来上がり、雨を吸い上げて4月から10月頃まで木を成長させます。
寒くなってくると、木の成長もゆっくりに。
年輪があるということから、季節の変化がある地域で育った木だということがわかります。
年輪の幅が急に狭くなった年には天候不良か何かあったのかも。
樹だった時の数年間の歴史が、手のひらの中に。
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京都炭山朝倉木工は、
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写真はチェリーのビッグチェスト納品事例。