家具のお手入れ方法

木の家具は、①木地素材、②仕上げ表面、③塗装、の違いによって、適したお手入れ方法が異なります。

和家具の拭漆、アンティーク家具のラッカー塗装、李朝家具、オイルフィニッシュ、オイルウレタン塗装、、、、

様々な組み合わせの家具があります。扱い方とお手入れの方法を知ることでより長く愛用することができます。

 

京都炭山朝倉木工の家具は、①無垢の木(主に広葉樹)②鉋仕上げ、③塗装はオイルフィニッシュです。

表面に塗装の膜は無く、オイルの浸み込んだ木の層に直接触れることができ、木の呼吸や吸湿効果を妨げません。

ここでは、京都炭山朝倉木工の家具のお手入れ方法について、ご紹介します。

 

 

ショールームの栗の丸テーブル1200Φ 2016年から使用。

 

 

 普段のお手入れ 

 

・テーブルは、食後はよく絞った綿布で水拭きしてください。マイクロファイバーは向きません。

 拭くときはいつも木目と同じ方向に拭きます。(野菜の土が台ふきんについて拭いてしまった場合も、

 木目と同じ方向の傷であればほとんど目立たず、木目を横切る方向の傷はよく見えるため。)

・TVボードや、チェスト、椅子などは、乾いた布でほこりをぬぐう程度で特にお手入れは必要ありません。

 日常的に座ること、触ることが、摩擦仕上げとなって、よく使う部分はツヤが出てきます。

 

 

 へこみキズ 

 

・小さくまるめた綿布に水を含ませて、凹みの上に乗せておきます。乾いたら水分を追加し数時間置くとかなり戻ります。

(注:この方法は、木の表面の仕上げの番手が荒い家具や着色された家具に行うと水しみになる場合があります。)

一日置いても水だけでなかなか凹みが治らない場合は、アイロンで「1,2,3秒、様子を見る」という方法でもう少し戻ります。

(注:アイロンを多用すると表面が凸凹になるので、凹みのひどい部分にだけに使うと考えてください。スチーム×)

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 油性ペンのインク 

・ついてすぐでしたら消毒用エタノールで落とせます。(薬局で購入可。マキロン×)

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・何日も経ってしまい、どうしてもおちない場合は、綿棒にごく少量のラッカーうすめ液をつけて木目と似た方向にぼかしながら落とします。この方法では、経年変化でいい色になった層が薬品で荒らされてしまうため、この部分の木の色が薄くなりますが、後述のオイルメンテナンスを行って時間がたつと、木が日に焼けて色が追い付いて目立たなくなります。(ウレタン塗装など塗膜のある塗装には行わないでください!)

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  輪ジミの種類  

一般的に「輪ジミ」といっても種類が在り、原因と対策が異なります。

症例①塗装の膜がある塗装の場合の、熱や薬品などによって塗装の膜が反応して白く変色してしまう状態。

(これは朝倉木工のオイルフィニッシュでは起こりません。ご使用の家具がオイルフィニッシュという名称でもワックス成分が強い場合や、オイルウレタン使用の場合、塗膜があるのと同じ状態のときには起こり得ます。)

西洋ではテーブルクロスを使用する文化であったため、アンティーク家具などをお使いの場合は、熱いものを入れた熱伝導率の高い器は直接置かないよう気をつけましょう。)

症例②オイルフィニッシュで起こりうる輪シミは、何年もの使用でオイル成分が表面に少なくなってきた時期に、油の瓶などを置いたらそこだけ油分を木が吸収し、他と違いが出た状態

(これは、オイルメンテナンスで他の部分にもオイルを補給することで差を減らすことで目立たなくすることができます。)

症例③オイルフィニッシュしてオイルが完全に硬化する前に使用してしまい、水分と木の中の半乾きのオイルが反応し他と違いが出た場合。

(できたての家具や、メンテナンスしてすぐのときには、数日間は水分を直に置かないようコースターを使うなど気にして頂くようお願いします。

症例④鉄器を直接置いた場合、木のなかのタンニン成分と鉄分が反応し黒くなることがあります。(錆が出る包丁の先端なども同様)

黒くなってすぐにレモン汁(市販の果汁可)を付けておくと、薄くすることができます。

 

というとずーーっと気にしないといけないように誤解されますが、木の中に浸透したオイルが完全に硬化するまで、です。

 

 

 ダイニングテーブルのみ オイルメンテナンス 1~2年に1度) 

 

食事に使うダイニングテーブルは、食前食後(計6回×365日=2190回!)水拭きをするため、木の表面がほんの少し毛羽立った状態になっていきます。

その毛羽立ちの余分な部分を耐水ペーパーで取り除き、再びオイルを染み込ませることで、1,2回メンテナンスをすると驚くほどシミがつきにくい表面になります。

ショールームでは、何年も使用しているテーブルに濡れたコップを直において試して頂くことができます。

 

 

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準備するもの。

●耐水ペーパー800番(1800×900㎜テーブルでA4サイズ1~2枚。)

●オイル(オスモオイルかリボスオイル)50ml(←1800×900㎜テーブルを十分メンテナンス出来る量)

●ウエス(手のひらサイズ2枚重ねを6セットと、オイル塗る用小さなウエス1枚)

 

京都炭山朝倉木工の家具と小物をお使いの方へ、キズ用の小さなメンテナンスオイル(無料)と

「テーブルメンテナンスこれさえあればですぐできるセット(有料)」をご用意しています。ご連絡ください。

 

 

 

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 水拭きで汚れを落とします。天板表面と、板の厚み部分も水拭きして汚れを取っておきます。

 ペーパーの工程でも汚れが取れるので、いつもより念入りに台ふきしたら、乾いてから、次のペーパーがけに進みます。

 ウエスは綿の古いTシャツなど。タオルは、木目のささくれに引っかかってしまうことに注意すればこの水拭き工程には使えますが、オイルを拭き取る工程では、タオル地ではない方が綺麗に拭きとれます)

 

 

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 耐水ペーパー800番は手で折り目をつけて8枚に切り、3等分に折って使います。(はさみで切ると、切れなくなってしまいます。たくさん切るときは、カッターで。)

木目に沿ってペーパーをかけます。目的は2つ。汚れを絡め取ること、日々の台ふきで毛羽立って持ち上がった部分を800番の粒の大きさで取り去ること。

子供とやるときは、手をまっすぐ動かすと木目の向きになる側に立つと良いです。(手の軌道がアーチを描いてしまうため)

たとえ木目と違う方向にペーパーがけしてしまったとしても、800番という細かい番手なので、新品の800番で周囲と馴染ませることができます。

天板の厚みの部分のペーパーがけは、しなくて良いです。(気になる汚れや傷があればしても良い)オイルは塗ります。

 

 

4粉を乾いたウエスで拭き取り1.png

 乾いたウエスでペーパーで出た粉をよく拭き取ります。拭き取ったとき全体についてムラのない状態がゴールです。極端にムラがあればペーパーにもどります。

 木の板目(タケノコ模様)と柾目(まっすぐシマシマ模様)の違いによってペーパーのかかり具合がムラに見えるのは、オイルを塗れば気にならなくなります。

木の導管にこのペーパーの粉が入ったままオイルを塗ってしまうとそれが蓋になり、日々の台ふきで簡単に取れてしまうので、粉はしっかり取り除きます。

 

 

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 オイルの入った瓶をよく振ってから、塗り広げ、たっぷり吸い込ませます。天板の上と、厚みの部分にも塗ります。

 

 

6すぐオイル拭き取り.png

 時間を置かず、すぐ拭き取ります。拭き取っている間に十分染み込みますし、真夏などはどんどん乾いてきます。

(乾いて拭き取りにくくなっても、オイルをさらに追加して塗ると拭き取りやすくなるので大丈夫です)

ウエスの新しい面でどんどん拭き取ります。ふき心地がこの段階ではべっとり重いです。(子供はエプロンか、汚れてもよい服に,,,)

 

 

 

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 仕上げ拭き取りのウエスに持ち替えて、さらにウエスの新しい面でどんどん拭き取ります。

ふき心地がだんだん軽くなり、さらさらとなにもオイルがついてこない感覚まで拭いたら、完成です! 12時間乾かします。

(手を乗せると、じわっと体温でオイルが浮き上がってきて手形がつくので注意します。)

 

 

参考:

リボスオイルをご使用になった場合は乾燥時間12時間ですと、ちょっと短いです。オスモオイルより浸透性が強いのでしっかり乾かせば非常にその後綺麗で使いよいですが、

表面だけ乾いて奥の方でオイルが完全に硬化していないときに水ものを置くと、半乾きのオイルと水分とが木の中でまざって輪シミのようになることがあります。

リボスの場合は1週間ほどはコースターを使うなどしてしっかりオイルを乾かすとシミに強くなります。 

  

 

8ついでにアームもオイルI.jpg

 おまけメンテ

オイルを塗り広げたウエスで、椅子(写真はオーチェア)のアームの先端や、テレビボードの日によく当たる部分などツヤがもう少しほしいと感じる部分にオイルをすり込んで、すぐ拭き取ります。

よく手が触れる場所は手の摩擦仕上げされているので、ペーパーせずにオイルだけ補充してあげるので十分です。

 

 

 

9ウエスは広げて乾かしてから廃棄.jpg

オイルがしみこんだウエスは、広げてしっかり乾かしてから廃棄してください。

オイルがついたままクシャクシャとしておくと、自然発火する場合があります。

干し終わったら、オイルのついた手は石鹸で洗ってください。

 (オイルを塗り広げたウエスは乾くとカピカピになりますが、拭き取りに使用した程度のウエスは乾いたら、お掃除に使えます。)

 

 

テーブルのメンテナンスは、1~2年に1度で十分です。

頻度も1年目メンテ、2年目メンテ、3年目からは毎年でなくても気にならない表面になってきます。

「オイルフィニッシュの家具はシミがつきやすい」と書いてある記事もたくさんありますが、正確に言うと、

「オイルフィニッシュの家具の表面がはじめから粗い場合はシミがつきやすい」です。

表面が細かく仕上がっていて、適切な段階でオイルメンテナンスをしたものは、驚くほどシミに強い表面になります。

 

 鉋(かんな)仕上げとペーパー仕上げ、方法が違うだけで目指すのは、仕上げの場合は「木地のざらざらをすべすべにすること」

鉋(かんな)は、刃物を砥石でといでいき、先端を顕微鏡でみたら、

荒いギザギザ→細かいギザギザ→ほとんどギザギザがない状態、にしてから、木をスパッと切ります。

 

ペーパー仕上げの場合は、研磨粒子を紙に貼り付けたもので、木をこすっていく、

だんだん研磨粒子の小さいペーパーでこすることで、すべすべにしていく方法です。

 

 鉋仕上げの天板は、きめ細かい平面がスパッとできあがっているので、メンテナンスは意外と簡単です。

ペーパー仕上げの天板の場合、木の柔らかい部分が先に凹んでしまいがちなので

均質に番手を細かくしていくのがむしろ難しいのです。手間もかかります。

そのため、木製品を安価に大量生産したいという場合には、オイルフィニッシュは選択されません。

オイルフィニッシュで手触り良い状態までにするには、手間賃がかかりすぎてしまうのです。

少し粗い木の表面にツヤと手触りの良くなる塗装をして完成品とする木製品が一般的です。

 

その塗装がはがれてきたときに出てくるのは、少し粗い面なので、毛羽立ちも大きく、汚れやカビが入りやすいのですが、

それは木の問題点ではなく、仕上げと塗装の選択の問題であり、現状では混同されています。

塗層の膜があるタイプの塗装は、メンテナンスしたいときに塗膜の上に塗膜を重ねられるもの(漆などは重ねていきます)と、そうでないもの(剥がして再塗装が必要なもの)があります

再塗装を受け付けている等、製品開発の段階で、長く使うことを想定されている木のものを選ぶことをお勧めします。

 

安価な木製スプーンなどは、塗装がはがれてしまったら、塗装は120か180番のペーパーで剥がして、

240番で滑らかに磨き、オイルを塗って、乾かしてから耐水ペーパー400番、800番で磨いてもう一度オイルを塗って乾かすと、生まれ変わります。

ペーパーではなく、彫刻刀などで削るのも楽しいです。(刃物の先に手は置かない)

 

異常気象が起きているこの地球のなかで、

 選んで買い物が出来る国に住んでいる私たちの

 つくるもの、買う物は、常に地球の未来に対する一票。

 

風と土と水が長い歳月をかけて作り上げた木という素材。

つくるのに使った時間もエネルギーも、無駄にしたくない。

長く愛用出来る家具をつくる。 

 

                  京都炭山朝倉木工